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戦後猟奇犯罪史のjunのレビュー・感想・評価

戦後猟奇犯罪史(1976年製作の映画)
3.1
泉ピン子を狂言回しにして西口彰、克美しげる、大久保清の3人が起こした殺人事件を再現ドラマ風に描く実録映画だが人物の名前は変えられている。ピン子は「ウィークエンダー」を模したようにフリップを見せて事件を説明するほか再現ドラマシーンのナレーションもやっている。西口彰編は最も実録映画っぽくシリアスでエログロ色が強い。製作開始直前に事件が起き急遽組み入れることになったという克美しげる編は尺が短く内容的にもテレビの再現ドラマのようで安っぽい感じ。いちばん丁寧に撮られた感じの大久保清編は川谷拓三の三枚目キャラを生かして予想外に軽いタッチで描かれているが終盤すべてを自供するシーンの後に挿入される犯行シーンでは一転鬼気迫る様子で女性を襲い殺す川谷がそれまでのシーンとの対比で非常に怖くみえる。現在では実際に起きた殺人事件をこのような煽情的な娯楽映画で描くことは難しいと思われるのでその意味では貴重な作品では。
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