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ロリータのharu3uのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.0
「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。」

ロリコンの語源と聞いて挑むと拍子抜けします。全然お上品です。
原作小説と違って、主人公は小児性愛者というよりは、愛してしまったのがたまたま少女だったという印象を受ける。プロダクション・コードの時代なので、二人の性的関係は匂わす程度。

とはいえ私は、ロリータを“ファム・ファタール”(小説では“ニンフェット”)だなんて、男性視点の都合のいい枠に当てはめて語りたくない。
犯罪者に人生を狂わされたのは、たった14歳のロリータの方でしょう。養父の性的虐待を受けながらも束縛から逃げ出し、信頼できる人とのささやかな暮らしを手に入れた。
私にはロリータは魔性なんかじゃなく、ごく普通の女の子に思えたよ。
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