喜連川風連

ロリータの喜連川風連のレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.5
痴人の愛、布団そしてロリータ。
古今東西繰り返されてきたいい年こいたおじさんが繰り出す少女愛。

それをキューブリック自慢の
フォローショット・センターへの人物配置、狂気に落ちる瞳で彩る。

身寄りのない少女は
お金のある男性にひかれ、「私を見捨てないで」と語るものの、少女の成長は誰も止めることはできない。

若い男との邂逅やデート、嘘のピアノレッスン。
彼女の全てを把握しようとして、一つでも疑わしいことがあれば、他の男の存在を疑ってしまう誇大妄想癖にとらわれた哀れな大学教授。

古いナイスガイな男が女々しく醜い男に落ちていく姿が見事。

ヒゲが伸び放題になる演出も好き。

暗転、ディゾルブを多用しており、編集のキレはまだこの頃見られないが、随所にキューブリックを感じ、楽しんだ。

だが、後のキューブリック作品を知ってる我々とすれば、主人公たちの性描写等やりたい表現ができなかったのかもしれない。


失いたくないと思って、縛りつければつけるほど、人は離れていくものである。
喜連川風連

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