GaPTooth

キング・オブ・キングスのGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

キング・オブ・キングス(1927年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

酷い。
酷すぎる。

大まかに言えば、
イエスの宣教(山上の垂訓、奇跡、ラザロの復活など)
過ぎ越しの祭り
記念式制定
父なる神への真剣な祈り
捕縛
不当な裁判
磔刑(2人の悪行者との会話を含む)
復活
マリア・マグダレネの前に現れる
信徒たちの元に現れる
天の父の元へ昇っていく
...を、描いているんだけどね。

聖書の言葉が引用されているんだけど、場面と合致していない。ほとんど全場面。
合致していたのは"父なる神への祈り"と"2人の悪行者との会話"くらい。
あとはホントに酷い。特に磔刑されて死に至る直前にイエスが述べた言葉が違うのには驚かされた。
聖書を知らない人が脚本を書いたのだろうか...それくらい酷い。

冒頭で『本作はナザレのイエスを描いた作品である。敬意が伝われば...』なんて言ってたけど、全くもって不敬な仕方でイエスを描いている。
全体的に聖書ではなく、ダ・ヴィンチらの宗教絵画に沿った感じになっているのがイタイ。

特に酷いのが、
・マリア・マグダレネがユダ・イスカリオテをイエスから取り返す為に出ていく。
・マリア・マグダレネが"七つの大罪"から清められる。
・ユダ・イスカリオテは初めから貪欲さゆえにイエスに従っていた。
・イエスの母マリアがイエスと共に行動していた
...という4つ。

そもそも"七つの大罪"なんて言葉は聖書には無い。マリア・マグダレネに関して聖書は"七つの霊(悪霊)が出ていった"と記されている。この"霊(悪霊)"は"大罪"のことではない。
イエスが宣教を始めた頃、イエスの母マリアは「イエスは頭がおかしくなってしまった」と思っていた、と聖書に記述されているからね。

ただファリサイ人やサドカイ人など宗教指導者たちの立ち居振舞いは聖書の記述通りだった。

本作を観て「あーイエスってこんな感じの人だったんだぁー」って勘違いしてしまう人がいないことを祈る✝️
GaPTooth

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