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フロム・ダスク・ティル・ドーン3のYYamadaのレビュー・感想・評価

3.4
【ヴァンパイア映画のススメ】
『フロム・ダスク・ティル・ドーン3』
 (1999)

◆本作のポジショニング
 人類 ←← (捕食) ←← ヴァンパイア

〈見処〉
①今度はウェスタン!
「地獄のサンタニコ」誕生を描く前日譚
・『フロム・ダスク・ティル・ドーン3』(From Dusk Till Dawn 3: The Hangman's Daughter)は、1999年製作のホラーアクション。
・本作の舞台は20世紀初頭のメキシコ。絞首刑の執行から脱走した強盗団の首領ジョニー・マドリッドは、処刑人の娘エスメラルダを拐い、強盗仲間と合流。
・ジョニー率いる強盗団は、新婚の牧師夫妻やパンチョ・ビリャの革命軍に加わろうとしている作家のアンブローズ・ビアスの乗る馬車を襲い、その足でジョニーとエスメラルダは荒野の中の怪しげな宿場に辿り着き、一夜を明かすことにする。
・そこは妖艶な女クイクスラが経営する売春宿であったが、クイクスラをはじめとする宿の人間は全て吸血鬼であった…(Wikipediaより抜粋)
・本作は、タランティーノとロバート・ロドリゲスによるバイオレンス・ホラーの傑作「フロム・ダスク・ティル・ドーン」第3弾として、前2作から時代を遡り、19世紀初頭のメキシコを舞台としたウェスタン仕立てで描く。1作目でサルマ・ハエックが演じた妖艶な吸血鬼「地獄のサンタニコ」誕生の物語である。
・前作と立て続けに、予算5百万ドルで製作された本作は、本国米国では1999年10月にフォートローダーデール国際映画祭で上映された後、ビデオスルーとして発売。日本では、2001年に三部作連続上映の形式で劇場公開された。

②結び…本作の見処は?
・ロバート・ロドリゲスによるストーリー展開はなかなかしっかりしており、後に製作されたドラマ版にコンセプトが踏襲されている。
・エンドロール後も映像あり。

○: 前半: 西部劇、後半: スプラッターという「一粒で2度美味しい」ハイブリッド作品の構成は、1作目を踏襲。前半部のキャラクター描写が後半部にスムーズに引き継がれている点は、シリーズ随一。 20世紀初頭を舞台とした西部劇として、メキシコの埃っぽさが感じ取れる作品。
○: 「悪魔の辞典」の著者で実在の作家アンブローズ・ビアスが晩年に革命家パンチョ・ビリャに合流を目指し、失踪した史実を背景にしたストーリー、意外や!?奥の深い構成となっている。
○: マイケル・パーとダニー・トレホ以外は知らない俳優ばかりと思いきや、主演に『ニュー・シネマ・パラダイス』青年トトのマルコ・レオナルディを発見。ラストシーンで見せる彼の横顔は、『ニューシネマ~』と同じ。
▲: 低予算故か、ヴァンパイア登場シーンは多くなく恐さはない。登場前の怪しげな売春宿の描写のほうが不気味。
×: エスメラルダは、もう少し華やかな女優さんのほうが良かったのでは?
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