ろくすそるす

ショッカーのろくすそるすのネタバレレビュー・内容・結末

ショッカー(1989年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 シリアル・キラー、ピンカーが無差別大量殺人を繰り返す。その槍玉となってしまったのが、アメフト高校生のジョナサンの家族であった。刑事の養父と暮らす彼は、ドジな性格が祟って、アメフトの練習中に頭を強打してしまう。その代わりに、殺人鬼の行動を幻視する奇妙な予知夢の能力を手にする。
 だが、ピンカーはテレビと黒魔術により電流の力で人に憑く超能力を持った電気人間だった(機械×黒魔術の応用は『デビルスピーク』にも似ている)。処刑台の電気椅子から逃亡し、次々と肉体を乗り替える。まるで悪魔。
 現実と悪夢が交錯し、さらには幽霊まで登場するといったストーリーが奔放過ぎて前半は少し退屈であるものの、後半のピンカーとジョナサンがテレビの世界に侵入し、ところ構わずバトルする場面は、最高の演出であり、とても楽しい(第二次世界大戦の映像やドラマの中で追い掛け合うピンカーとジョナサン、色々なチャンネルに移動しまくるため、あまりに荒唐無稽でぶっとびすぎて笑い転げた)。マッサージチェアが「人間椅子」化したりと、後半は特におもしろく、ここだけでもクレイヴンの最高傑作と言えるぐらいの出色の出来映えだと思う。
 全体のまとまりは欠けるけれども、あのバトルシーンはすべてをぶっ壊す破壊力を備えている。はらわたねじれるくらい爆笑した。