らんらん

恋にいのちをのらんらんのレビュー・感想・評価

恋にいのちを(1961年製作の映画)
4.0
藤巻潤は社長(山茶花究)の娘(冨士眞奈美)との結婚の話が進行中なのだが、藤巻の父が数ヶ月前から行方不明、さらに藤巻は馴染みのお店の娘(江波杏子)のほうが好きなのもあり実は乗り気じゃない
そんな中父が殺され、裏で糸を引いているのは社長であると知った藤巻は復讐の為あえて婚約を進め懐に入り込み機会を伺う、、、

まず思うのは増村作品にしてはキャストが意外な気がする
そもそも、この年代で藤巻潤と江波杏子が主演なんてのも見たことなかった、なんか新鮮な感じ
正直見る前の期待値はそんなに高く無かったんだけど、なかなか満足度高かった

メインになる藤巻&江波、そして冨士眞奈美
山茶花究、神山繁、浜村純なんかもみんな魅力が出ていて良かった!

ただストーリーは都合いいなーと思う、各人物の関係が近すぎるし、展開もうまいこと行きすぎてる気がしてリアリティという点ではいまいち
ただフィクションと割り切って見れば面白くできてるんですよね

まず山茶花究&神山繁と藤巻潤の父、江波杏子の父はつながりがあって
江波杏子の父の手によって藤巻潤の父が殺される
藤巻潤にとって江波杏子は仇の娘、よって約束したはずの2人の結婚は流れる
でも事の起こりを突き詰めると山茶花究&神山繁が両者の仇でもあり
両者それを知って尚山茶花究の娘と藤巻潤が婚約、江波杏子が山茶花究の妾になったりとか、、、なんなんこの関係!?うまく説明まとまらないや、とにかくドロドロな複雑系

新文芸坐の江波杏子特集初日にて見てきました!
大映作品好きだけど江波杏子の出演作ってほとんど見てないんですよね
三大女優であったり、叶順子や野添ひとみなんかはよく見てるのに、、、たぶんそっち優先しちゃうとどうしても活躍時期が違うせいだろうなー

この映画の江波杏子は一見自由気まま、何考えてるかわからない役、でも彼女をそうさせる背景の描き方がうまいと思う
あまりわかりたくないような心理なんだけど、それだけに悲劇のままで終わらなくて良かったのかなと
プロポーズを受け入れて仰け反りキス、なにかと寄りかかってきたり、横顔が多かったのが印象に残る

そしてもう1人のヒロイン冨士眞奈美も良かった!一途に藤巻潤を想うあまり妥協の連続と空回りなかわいそうな役
この冨士眞奈美、かわいくて清楚で一途で、、、言うことなしなのに結局フラれちゃいます、というか実は最初から愛されてないカモフラ婚約w そんなピエロな冨士眞奈美の動かしかたも素晴らしい

長くなりすぎたのでまとめ!
ストーリーや演出、時代背景、出演者であったりといろんなことで収穫ありました
浜村純や山茶花究が逮捕されて尚お国のためとか正義感からとか見栄を張るのも印象的だなー
らんらん

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