blacknessfall

スーパーマンのblacknessfallのレビュー・感想・評価

スーパーマン(1978年製作の映画)
3.4
『ザ・フラッシュ』のレビューでアメコミ映画なんか観る気がしないと言いながらスーパーマンの1作目観た~🦸 あの時はそう思ったし、あそこに書いたアメコミ映画批判もファンへのディスについては今も変わることはない。が、そんなことをは気にせず観たいものを観たい時に観る。
映画なんかそんなスタンスでいいんだ。一貫性も誠実さも不要だと思ってる😏

本作を観るとDCに深刻で重く大仰なイメージ付いたのはノーランのバットマンとザック・スナイダーのスーパーマン以降だということが分かる。
本作、めちゃくちゃポップでライトでノーテンキだからな。まあ、再鑑賞なんで知ってたけど何せ20年ぶり以上なんで新鮮だよ。以降のスーパーマンの変遷を知ってから観ると。

基本スーパーマン(クラーク)とロイスのラブコメなんだよ。クラーク、ロイスにスクープ取らせようとしてスーパーマン🦸の独占インタビューをセッティングするし、そのインタビューにちょいちょい恋愛や性的な暗喩が入り、二人が惹かれ合ってるのが様子が甘酸っぱいセリフと演出で描かれる。最後はスーパーマン🦸からロイスをナイトフライトに誘ってイチャイチャするしな笑
「地球人の歴史に介入してはいけない」という父親ジョー=エルの教えを破り死んだロイスを愛情を優先して運命を変え生かしてしまう、時間を戻して。2010年代以降のヒーロー達がこれをやって大変なことになってることを思うとあまりのご都合主義に呆れてしまう笑 この父親の教えを守るか破るか一応葛藤するんだけど、かなりあっさりしてるから悲壮感がまるでない笑

悪役のレック・ルーサーとその手下2名も陽性でポップ、近年流行りの暗い情念や鬱屈が一切ない。目的はあるけど、それより自分より目立つスーパーマン🦸をコケにして俺様の強さと賢さを証明したいぐらいの温度、ノリもヤッターマンのドロジョ様率いるドロンボー的なグルーヴ。

そんなだから現代社会の風刺や皮肉、問題提起なんか一切ないよ。あるのは牧歌的な正義だけ。でもヒーロー映画は基本子供向けのものなんでこれでいいんだと思う。むしろ、いい大人向けに子供が観ると消化不良おこすような今のアメコミ映画の方が異常なのかも?しかも、最もらしいこと言っても作り手も観る方も描かれた難しい問題から眼を背け、現実では映画で描かれた差別や抑圧をする者に迎合する腐り切った卑怯な連中ばかりじゃん🙄

それと、こういうオールドハリウッド全開の正義に一点の曇りもない映画にジーン・ハックマンやマーロン・ブランドのような「正義」を揺さぶり疑問を呈す映画で名を挙げた2人が重要な役で出演してるのは興味深い。アメリカン・ニュー・シネマのような秩序やパワー(正義)に逆らう映画はお呼びじゃない。もうすぐレーガンの反動時代がやってくる1978年の不安を込めてこの2人をキャスティングしたように感じた。でも、絶対そんなことはない。後づけでおれが自分の鬱屈を投影してるだけなんだ、せめて、そうであって欲しいという願望。
blacknessfall

blacknessfall