初DVDということで購入してみた。本作の主人公石中先生を演じているのは三船敏郎とばかり思い込んでいたが、宮田重雄だった(主人公ではなく「語り手」的存在なので宮田で適役)。3話からなるオムニバス。いずれも石中先生が暮らす青森県の村を舞台に描く。他愛もない話だが、この時代性(1950年公開)、この美術(中古智)、そして成瀬の演出が相乗効果を得て、誰も読まなくなった石坂洋次郎を現代にかろうじてつなぎ止めているように思えた。第三話に登場する若山セツコがかわいらしい。三船敏郎と「青い山脈」(石坂洋次郎原作)を歌うのはご愛嬌。