2016年1月9日、角川シネマ新宿の「若尾文子映画祭アンコール」にて鑑賞。
川端康成原作の映画だけあって、なかなかドラマティックな展開であった。
京都から東京へ向かう列車の中から始まる。
列車内で赤ん坊の世話をしている男(船越英二)と正面に座った女性=麻子(若尾文子)は他人どうしだが、赤ん坊のおむつ替えで若干の会話を交わす。
帰宅した麻子は、姉の百子(京マチ子)と話すのだが、父親同じで母親違い。
この時、京マチ子が1階の部屋を出て行き、それを追いかけるように若尾文子が障子を開けると階段を上っていく京マチ子の姿が映り、二階を歩く京マチ子、二階まで追いかけていく若尾文子を映した「流れるようなシーン」が素晴らしい。
そして物語が進むと、京都に更に母親が異なる三女がいるらしいことがわかる。
三女の若子役は、川上康子。
箱根に旅行で行った父(上原謙)と娘=麻子(若尾文子)の父娘混浴シーンが衝撃的。
…フルムーンCMで上原謙は高峰三枝子と混浴だったが、それ以前にも混浴した女優が居て、それが若き日の若尾文子だったとは(笑)
長女=百子(京マチ子)の「お乳の杯(さかずき)」というのも、戦争と絡めてはいるが、これまた衝撃的であった。
原作者の川端康成は、凄い事を考える人だったんだなぁ、と感心しきり。
文学的な香りのする古き良き日本映画であった。