青二歳

虹いくたびの青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

虹いくたび(1956年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

原作川端康成。なるほどイケメン上原謙の説得力。女三人孕ませて腹違いの娘三人全員美女…の父に上原謙なら納得だ( ー̀ωー́ )だって娘が京マチ子、若尾文子、川上康子だもん。ほかに誰が出来るんですか。
しかし何よりの見所は…オネエ言葉川口浩の破壊力だったな…TGで京マチ子とS関係(昭和だねこの言葉)かと思いきや、やるこたやってて京マチ子妊娠とかなんの冗談…( ・᷄ὢ・᷅ )笑いこらえるのに必死でしたよ。
そして川崎敬三よ…乳って。えらい器用な男だな。

京マチ子が主役なのだが…一度家族関係こじらせると長引いちゃうよね、分かる…若尾文子にはイラっとすると思う。姉妹間のプレッシャーが伺えますね。謎の上原謙と若尾文子のツーショット入浴は破壊力あるけど…妹は父親と素直な関係作れちゃってるとなればなお意固地になってしまう長姉。
そこに登場する父を知らず育った芸者の子、三女。彼女の存在が、京マチ子の固執した何か…家族、戦死した男…諸々を相対化させてしまったらしい。ほどけてゆく確執。実際はもっと時間かかるでしょうけどね。
ガタピシという言葉が擬音でなく仏教の言葉我他彼此と知り、面白い漢字だと感心したけれど、京マチ子を中心に見ると、まさに自分と他人、さらには自分の今と過去が音を立てるほど噛み合わず軋んで苦しんでいる。“虹いくたび”とは一体なんのことだろうと思ったが、我と他、彼と此を繋ぐものを言うのだろう。京マチ子は幸いにして“虹”を得、家族関係も収まり、心穏やかに前を向いて進んでゆくのでしょう。ラストはなんとも晴れやかな笑顔でした。

島耕二らしいダメな間延びが目立つし、破綻したメロドラマ以外の何物でもない…と切り捨ててもよいのだけど、なんか考えてしまう作品だった。しかし劇中に川端康成の変態要素が散りばめられていて…気が散る…島耕二というのがどうにもね…アイテム好きの勅使河原宏が作ると以外と面白くなるかも。島耕二はプログラムピクチュアの監督さんなので…変態要素は持て余すだろうな。

戦後なのでもうジェット機なのだなぁ。終戦間際に実用化ですもんねぇ。
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