ユカートマン

地下水道のユカートマンのレビュー・感想・評価

地下水道(1956年製作の映画)
4.3
ソ連軍に見殺しにされ失敗したワルシャワ蜂起を映画化。四方八方ドイツ軍に囲まれた蜂起軍が地下水道を通って脱出しようとするも、その臭いや環境の悪さから気が狂うもの、自殺するもの、衰弱するものが続出。果たして彼らは無事脱出できるのか…!?

ゼミにて発表。スターリニズムの社会では個人の性愛が全体主義的イデオロギーや大義に相反するものとして公的言論の場から徹底的に排除されていたらしいが、スターリンが死んで三年後の「雪どけ」期に作られたこの作品は、達成されるべき大義(=レジスタンスの成功)がある中でイチャつくカップルが2組登場し、ドンパチしてる中でセックスや愛撫をしていたので当時の国内の観客や批評家から評判が悪かったらしい。蜂起に参加した人たちに対するリスペクトはないのか?とも。もちろん海外ではカンヌで受賞したりワイダの高い芸術性が評価されている。何たる皮肉。
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