深作欣二さんがもし、仁義なき戦いシリーズを撮らなかったら?ということで、他監督の仁義シリーズを観てみた。
無鉄砲なヤクザが経済ヤクザに変貌していく様を描く。
このあたりのテーマ性はサンクチュアリをはじめ後のヤクザ漫画にもよく引き継がれている。
脚本は面白いが、撮影とBGMが絶望的。
演技もBGMもクサいし、恐ろしくダサい。
怪しげでカッコいいメロディは鳴りをひそめ、悲しいときはギターで泣かせにくる。
単調で見ていられない。
抗争が起きても、カメラは三脚で遠くから眺めてるだけ。
仁義なき戦いシリーズの臨場感はどこへ・・・
仁義なき戦いシリーズのように、カメラが回転したり、ぐわんぐわん揺れたり、重いベースやトランペットが響き渡ることもない。
良く言えば監督の真面目さが伝わってくる。
だが、カットやBGMからエネルギーが全く伝ってこない。
職業的に真面目に撮っている。
オープニングの字幕も赤文字手書きから白字に明朝体。
これじゃダメだ。
実録映画の良さをこれでもかと潰している。
くさい、哀愁あふれるギターが前面に出てくるようなBGMに、原爆の惨禍を解説するようなナレーションも全ていらん!
余計なお世話。しゃらくせえわ!
深作欣二さんの類稀なセンスを再確認しました。
脚本や役者がいいだけに本当にもったいない。