囚人13号

友情ある説得の囚人13号のレビュー・感想・評価

友情ある説得(1956年製作の映画)
4.0
ワイラー初のカラー映画。美しい田園風景、教会、馬車、お祭りといったのどかで温かい被写体をビスタサイズで画面いっぱいに収めている。物語の主体となる厳格なクエーカー教徒家族の父をクーパーが演じており、彼のイメージがまた変わった。笑顔がとにかく最高。

いつも隣人と教会まで馬車競争(ベン・ハー)したり、娘の恋愛があったり、タブーであるピアノを買っちゃったりと微笑ましい日常描写が続くも、そんな田舎にも南北戦争の脅威が迫る。ご近所は応戦しようと主張するが平和を愛するクーパー&ドロシー・マクガイア夫婦は殺人だと断固反対、しかし息子は参戦する気でいた。
この迫りくる戦争は前半で描かれる平和な描写と上手く対比され、より悲惨で残酷なものとなる。やや抑え気味の演技を見せるクーパーはすばらしいが脇役も完璧、特に彼を殺そうとする南軍兵士の青年が忘れられない。

タイトルの友情ある説得は多分クエーカー教徒に伝わる教え(Friendly Persuasion)をそのまま訳したために変な邦題になってる。
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