ことのは

ビジターQのことのはのレビュー・感想・評価

ビジターQ(2000年製作の映画)
3.5
【頭、カチ割られたことありますか?】

家庭内援交(近親相姦)、家庭内暴力、イジメ、死姦、母乳。三池崇史の真骨頂。

アナーキーな映画で、近年この『ビジターQ』に匹敵する邦画があれば教えてほしい。

めちゃくちゃ久しぶりに、ぶっ飛んでる映画を観たくなって、品揃えの良いTSUTAYAにこの映画と、ハネケの『ファニーゲーム』を借りに行って鑑賞。(大丈夫ですか?って心配されそうな2本だけど、セルフレジだったから難なく借りれた)

家庭内暴力でめちゃくちゃな家庭に、旦那が連れて帰ってきた来訪者『ビジターQ』を通して、少しずつ様子が変わっていく家族のお話なんだけど、この映画はレビューもしゃしゃりもなくとにかく観ないと、どこまでもパンキッシュでアナーキーな感覚は伝わらない気がする。

今や国民的俳優?の遠藤憲一(エンケンさん)が、死体を犯し抜けなくなって、お酢で身体を柔らかくして外そうとするという、今じゃ絶対に観れないようなめちゃくちゃなシーンを、真面目に演じているのを観ているだけで面白い。

漫画家・内田春菊も、よくそこまでノリノリで出来るなと半ば呆れそうになるくらい、楽しそうに母乳を飛ばす(後にも先にも、こんなに母乳が出てくる映画は観たことない)。

決して人に、何か面白い映画ない?って聞かれて、『ビジターQ』とかどう?と勧められるような映画じゃない(仮に勧めたら人格疑われそうな)映画だけど、一回はこの三池崇史ワールドをのぞいてみても損はないと思う。
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