みおこし

肉体と幻想/肉體と幻想のみおこしのレビュー・感想・評価

肉体と幻想/肉體と幻想(1943年製作の映画)
3.6
フランスが生んだ巨匠ジュリアン・デュヴィヴィエによる、"幻想"などの心理的現象が"肉体"にどのような影響を及ぼすのかにまつわる世にも不思議な物語が3つ描かれたオムニバス映画。バーバラ・スタンウィック、シャルル・ボワイエ、エドワード・G・ロビンソン、トーマス・ミッチェルと豪華スター共演。難しげな映画に聴こえますが、全然そんなことはなく、それこそ『世にも奇妙な物語』のようなノリで観られて面白かったです!タモリさん的なストーリーテラーも登場しますし(笑)。

占い師から「あなたは人を殺すことになる」と宣告されたことから人生が狂い始める弁護士を描いたサスペンスフルな第2話、サーカスで綱渡りを披露するパフォーマーの目の前に夢で出会った美女が現れることから起きる騒動を描いた第3話、いずれも見応えたっぷりだったのですが、一番心に残ったのは第1話。新人のベティ・フィールド扮する自分の容姿に悩み、コンプレックスが原因でひねくれ者になってしまった女の子が、カーニバルの夜に男性と出かけることになり、不思議な仮面を手に入れ...というあらすじ。
「性格ブス」という表現がありますが、見た目へのコンプレックスが時にその人の内面に影響を与えてしまうことがあるように、逆にそれを払拭することで見た目への自信に繋がることもある。つまり、すべては自分自身なのでは...?という興味深い問題提起をしてくれるエピソードでした。
エンディングは思わずホロリ。
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