オリヴェイラ風のエッジの効いた不条理劇なのは確かであるが、その殺伐さから逃れるようなペーソスに留まっていて、さらには遊びや余白を与えている独特な雰囲気がある。階段通りのワンシチュエーションで、人物に…
>>続きを読むマエストロ然とした磊落さ。中心に箱と老人と娘夫婦、周辺にクセ住民、環境に階段通り。機能的・演劇的な配置。茶目っけと衒いと照れ隠しのバレエ。安定のバストショットにカットバック。「公認の物乞い」というパ…
>>続きを読むポルトガルのマノエル・ド・オリヴェイラ監督 85歳頃の作品。
原題『A Caixa』は「箱」の意味。
リスボンのとある階段通りを舞台に、一人の盲人の「施し箱(通行人がコインを入れてあげる箱)」を巡る…
「階段通りの人々」
冒頭、ここはリスボンの下町。 夜明けの薄明の中、夜警が階段を上る。貧しい人々、12番街の老女 、朝のラッシュ、居酒屋、盗難、靴磨きの少年と仲間。今、恵の箱をめぐる人々の物語が始…
どん底の観察。
主演の焦点が合わない演技が秀逸。プロフェショナル。
見終わっても色々モヤモヤする映画。隣の芝生が青く見える様や、施しを受けて喜ぶ様をここまで浅ましく見せられるのも演出の妙。
ア…