夢里村

階段通りの人々の夢里村のレビュー・感想・評価

階段通りの人々(1994年製作の映画)
-
まず、広い。
階段の両脇に住居が立ち並ぶ狭苦しい貧民街が舞台なのに、世界がすげー広い。なんで? 空なんてほとんど映らないのに……。

機能的だし誰が誰だかすぐわかる登場人物が多すぎて、何がどうなってるのか全然わからなかった。演劇においてあっちでもこっちでも喋ってるひとたちの発話と動作をすべて追うことはもちろん不可能であるわけだけど、それを同時に全部判別できてそれが物語に作用しまくってるような、そんな情報量の洪水がオリヴェイラの静かなカットから流れてくるとかいう、そもそも因果関係自体が意味不明なかんじ。

照明がシームレスに変化していくバレエのシーンと、そこからつながる娘のクリスマスプレゼントみたいなシーンがめちゃくちゃ良かった。いつも与えられ奪い奪われるだけだった人々が、贈与に関わる反転。ここにおいて娘は初めて、酒を提供するバーのオッサンと豆を売るオバサン、劇中で価値の交換に携わっていた二人と話を交わす。

栗を焼いて売ってるショット素晴らしすぎん? 栗焼かせるか普通?
夢里村

夢里村