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階段通りの人々の白のレビュー・感想・評価

階段通りの人々(1994年製作の映画)
4.5
「人々は後悔した。女が転んだお蔭で、きれいな泉の水が汚れて飲めなくなったと言って」

私たちの視界を曇らす、真っ白いベールは時折風に揺れる。これはキアロスタミ作品におけるガラス窓のような、真実と嘘を隔てる曖昧な境目である。
ジーン・ケリーが死んだ。
だが私たちは果たしてそれを目撃したのか。

物語narrativeは目まぐるしく変奏される。白昼の陰、薄暗く卑猥な階段通りの風俗、大衆的に過剰な賑わい。階段がかくも彩り豊かな映画の舞台装置になろうとは。

やはりポンジュノは『階段通り』以後とは言い難いかもしれない。
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