TAK44マグナム

ロボット刑事のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ロボット刑事(1973年製作の映画)
3.4
ロボット刑事、その名はK!


先日、理不尽が度を超えた「マザー!」という映画を観たわけですが、元祖(?)「マザー!」と言えば、そう!
異色の特撮ロボット警察官ドラマ「ロボット刑事」じゃないですか!

原作は石ノ森章太郎先生でありまして、原作コミックはロボットの悲哀を描いた作風なんですね。
で、テレビ版となると、やはりお子様向けのアクションものとなるのがお約束。
しかし本作は、ロボット犯罪を警察という立場で捜査したり、敵であるバドーの目的が犯罪ロボットを犯罪者にレンタルして金儲けをする事にあったり(その裏には哀しい理由もあるにはあるのですが・・・)、それまでの特撮ヒーローよりリアル方向へ一歩踏み出した内容になっているのが特徴です。

とは言うもののメインの対象者がお子様なのに変わりはなく、コートやスーツを着込んだロボット刑事が颯爽とこれを脱ぎ捨て(これが変身に相当する)、バドーロボットと相対するバトルシーンが毎回のメインディッシュとなっておりました。

東映まんがまつり用のプログラムとなる本作は、テレビ本編の前半部分をバトルシーン中心に編集したもの。
ロボット刑事の必殺武器である速射破壊銃によってバドーロボットは哀れ、バラバラドッカーンの大爆発ですよ!

面白いのは、なんといってもバドーロボットのデザインやキャラクター性でありまして、なんだこりゃ?と首をかしげるものがモチーフのロボットが毎回のお楽しみでした。
格好いいかどうかは置いておいて、非常にチープでありながら魅力的な悪のロボットたち!
例えば、手が長いからテナガマンとか、相手を腰掛けさせて殺害する椅子型のコシカケマン、物を入れるロッカーそのまんまなロッカーマン、更には頭がゲンコツ型しているカラテマンなど、ネーミングからしてふざけているのが最高に楽しいじゃありませんか。
今でも戦隊ものがコメディチックだったりすると、こういうふざけ半分の敵キャラが登場しますけれど、これもまた東映特撮の味の一つだと言えるでしょう。


それでもって、どの辺りが「マザー!」なのかと言うとですね、ロボット刑事が故障したりして困ると海に向かって「マザーーーッ!」って叫ぶんですよ。
すると、超でっかい観音像みたいなロボットが出てきて、何を隠そう、それがマザーなのです(苦笑)!
時には優しく、時には厳しくロボット刑事に接する謎の巨大観音像・・・
まあ、そこら辺にもバドー首領を絡めたドラマがちゃんとあるのですが、それはテレビ本編の最後に語られますのでご安心ください。