Ginny

王立宇宙軍 オネアミスの翼のGinnyのレビュー・感想・評価

3.0
WOWOWで放送されたサウンドリマスター版鑑賞。
庵野秀明展の展示に含まれていた作品なので、庵野監督を知る一助になるのかと思って見てみました。

アニメ製作業界について詳しくないのですが見たことある名前の人がたくさんクレジットに出てきて、ここから縁が続いてたんだなぁと感慨深い。

映画を見ながら、今一歩掴めない感じがして自分がぼーっと見てたのかなと思いwikiであらすじ見たらちゃんと見てた通りだった…。ただ見てる分の理解では足りずもう一歩何か作品の裏側に見出さなくてはいけないのかな。

系譜があるのかもしれないと思った。
今、自分たちの世代やそれ以上の若い人たちが慣れ親しみ楽しんでいるアニメーションを作っている人たちはこういった作品を受けて表現を知り、消化し、描き出して進化させてきたのかなと。
これの何倍もパワーアップし洗練されたものを見ているような気もしないでもないけどかといって過去の作品を軽視したり無視したりするのはよくないと思うので、みんなが見てきて吸収した作品なのかなと思うことにする。

ロケット打ち上げに向けてのシーンからワクワク感がすごい。ロマンを感じる。
大きな機械が制御され動く様子は感動と萌えがある。
朝靄の中のロケット打ち上げ施設のシーン、美しかった。

大佐の台詞のここが印象に残った。
「文明が戦争を生むのではない。戦争によって文明が作られたのだ。」
「同胞を異民族の侵略から守るため必死で戦った。しかしそれが正義などではなく太古の昔から繰り返されてきた殺戮の歴史をなぞっているだけであることもよく知っていた」

あと、打ち上げ後の人間の歴史が変わる変わる映されるシーンは、ユーリーノルシュタインの『話の話』を思い出した。

リアルの人間の争いを皮肉ってフィクションのアニメに落とし込んでいるところがパワーを感じられて良かった。
こういう思想や意見が組み込まれたものがエンタメで触れられるというのは素晴らしいことだと思う。
エンタメが現実逃避や、現実を無視したものであってはならないし、そういう作品に受け手側が甘んじてはいけないと思ってるのでこの骨太感は良かった。

今なお現実に国家間、民族間の衝突が続く中で、対岸の火事と他人事のように過ごす様子が何故広まったのか。
もう少し(?)前の頃は、他人事でも自分ごととしてカッカカッカと問題意識を持って発信していた気がする。

この世の中で人間が作るのであれば、それは今の現実を生きる私たちに向けたものであるべきだし、受け取る私たちも、まやかしに惑わされず見極め、目を逸らしたくても現実を見据える勇気を持つべきだと思う。

アニメのおじさんたちの区別がつかない。。
最後まで森本レオの声と作画に違和感を抱いてしまった。
Ginny

Ginny