みかん

ディパーテッドのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

ディパーテッド(2006年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃめちゃ面白かったー!
最近ディカプリオ作品見てて、本作も有名タイトルだしかなり気になっていました。
先に見た『アビエイター』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート 』に続いてスコセッシ×ディカプリオ作品。
『シャッター・アイランド』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』も見たいな。
本作はオリジナルは香港映画らしいので、いつかオリジナルも見てみたい。

マフィアに先入する覆面警察官ビリー(ディカプリオ) vs 警察に先入するマフィアのボスコステロの部下コリン(マット・デイモン)のお話。

それぞれの組織に潜む"ネズミ"をあぶり出すため、敵対組織のなか水面下で捜査していくんですが、お互いの読み合いにスリルがあってハラハラドキドキしっぱなしで、展開も読めないし、夢中になって最後まで見れました!
マフィアなのに警察官、警察官なのにマフィアという、本当の自分を偽りながらの生活に精神も磨り減っていく。
犯罪一家に生まれて昔から差別されてきたビリーは、警察官として全うに生きたいのにマフィアに染まっていく。
一方で、子供の頃からコステロに目をかけてもらっていたコリンは、彼の一味として働きながらも警察官として出世していく。
成りたい自分と実際の自分がかけ離れていき、だんだん自分がわからなくなっていく不安定さに揺れる青年二人が、立場は相反するのにどこか似ている気がしました。
マフィアのボスであるコステロにビリーは最後まで警察であることはバレず、側に置かれていたのに、逆にコステロの部下のコリンは自分以外にも組織の潜伏者がいることを知らされず、FBIとの癒着も知らず、コステロはコリンがいつか裏切る可能性も考えていたので、実質切り捨てられたようなもんでした。
コステロに信用されていたのは、奇しくもビリーだったんだなって思えて、ほんとに望んでいない真逆な人生を歩んだ二人の生きざまが哀れで、悲しかったです。
特に、ビリーとコリンが電話越しで相手の出方をうかがいあうシーンは、こちらまで思わず息を潜めてしまうような緊張感。
この後どうなるんか全然分からなくて、すごくドキドキしました。

また、コステロを演じたジャック・ニコルソンの、マフィアのドンの風格たるや。渋い!
コステロとビリーやコリンのやり取りも、いちいち緊張感があって良かったです。

あと、最初は嫌な奴らって感じだったディグナム捜査官とクイーナン警部は、物語が進むにつれ好きになっていきました。
ラストはどの目線でも割りと救いがないけど、ディグナム捜査官がコリンを追い詰めるところは、ビリーの警察としての活躍が無駄ではなかったんだって思えてちょっとスッキリしました。

裏社会の怖さ。
逃げられられない世界に囚われた者たちの物語でした。
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