ファイトクラブのやってる暴力や破壊行為は、痛くて汚くて反社会的で、嫌悪感を抱かせるものばかりです。しかし一方で、忘れている動物としての本能を刺激されるような感覚がありました。ブラピの発言や行動は一見めちゃくちゃですが、感情の機能が低下している現代人にとって、かなり説得力を持っているように見えてしまいます。
本作では90年代の消費主義社会へのアンチテーゼとしての身体性が描かれているようですが、損得勘定とロジックによって感情や衝動が減退しておる現代人にとっても、かなり響く内容ではないでしょうか。
ラストのどんでん返しは途中で予想できてしまいましたが、明らかになる設定が描かれているテーマと上手くリンクしていて見事でした。
