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ファイト・クラブの海のレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
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今は、こんな最高の暴動を見ても、わたしの頭はそこに理性と、我慢と、孤独の、その美しさを重ねて、最高の抵抗を、最高の暴動を、簡単に打ち消してしまう。アメリカ人の男性に生まれたら、こんなふうなことに憧れたいなって、確かにそれの魅力を理解しているはずなのに、その感覚がどんどん過去になって、薄れていって、わたしは今自分がここに居ることについて思っている。女の体があってわたしの心がある、それが、いったい、何なのかって考えている。自分と真逆のものが、この世にあるべきなのは、自分が決して善ではないことを、いつも分かっているためかもしれなくて。何が悪いことなのか、わからなくなるってことが、何が悪いことなのかをちゃんと自分で考えるために、必要かもしれないということ。言葉が死ぬのがやだから、先に言葉を殺しとくなんて笑える。だから生かそうとして、ってわたしは、自分に言うんだ、難しいけどね、わかっていて言うんだ。映画が最高なのは、映画が、最高を知っている人達のやった、成し得る限りの最高の執行だからだ。つよい想いが、つよい真実が、つよい信仰が、多大な時間と思考と知識の下に、産み落とされて、それをみているんだよ、恐ろしいことだ。わたしたちは皆、おまえが正しさじゃないことを知っているから、おまえが正義じゃないことは今、わたしたちにとってどうだっていいの、だからそれは、最高の間違いなの。解らせてほしいよ、頭に叩き込んで欲しいよ、世界なんかこうだって、人間の集まりなんかこんなくだらないものだって、そしてひとつの魂が生きて活動していることはこういうことなんだって、そして終った途端、粉々にくだけちゃって、意味を失い、忘れてしまうくらいなら、わたしだけのものになってよ
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