ゆうそら

悪人のゆうそらのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
3.9
邦画を見なさすぎてるので、妻夫木聡のイメージが真面目とか好青年と固定されていた。こんなに演技の幅の広さを持ち得た俳優さんとは思わなかった。
満島ひかりにフラレ、普通の人から一瞬にして憎悪にみちた表情へと変わっていった場面にゾワッとした。
そしてつくづく、深津絵里って大女優だなと。やっと見つけた愛を必死に守ろうとする病的なほどの健気さが痛々しかった。

ストーリーも切なかった。悪人は誰なのだろうか…ただほんの少し幸せになりたかったけど、誰もが自己の欲望のままに生きてしまった果てであった。

最後の2人で夕陽🌅を見つめる場面の深津絵里の表情が何とも言えなかったし、妻夫木聡の目は善人のようであった。無償の愛に触れた時、良心の呵責が目覚めてゆく…。彼は一身に罪を被ろうとした結末であった。

脇役は有名な方々ばかりで固めてあり、中でも樹木希林さん!彼女の出演映画をまじまじと見たのは初めてなのですが、田舎にごく普通に居そうなおばあさんなのだけど愛の力にみなぎる迫真の演技に魅せられました。
満島ひかりも小憎たらしい演技が何ともプロである。
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