れお

悪人のれおのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
4.4
人が犯す罪の根源はどこにあるのかを観る人に深く考えさせ、「大切な人」を持たない人間の弱さと持つ人間の強さを対比しながら価値観を揺さぶってくる映画だと思った。

たとえ親や身内であっても本人の心の中までは見通せない。映画に出てきた先のみえない峠道の暗闇を照らす車のライトや真っ黒な海に向かって光る灯台のライトのように私は照らし出すことができるのかどうか??善悪というくくりだけでなくて生きて行く上で人とつながっていくということはどういうことか、と。

程度の差はあれ、私たちの人生にも生きているか死んでいるかわからなくなるような時がある。この作品はそんな暗闇であえぐ時に進むべき道を照らしてくれる灯台であってほしい。


私は「誰が1番の悪人だったのだろう」ということばかりを考えていたけど、この映画は人は誰もが「悪人」になりえるけどそこには根っからの「悪人」なんて本当はいなくて、「誰が悪人か」ではなく「どういうときに人は悪人になるのか」がテーマなのだと感じた。
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