このレビューはネタバレを含みます
「あんた、大切な人はおるね?その人の幸せな様子を思うだけで、自分まで嬉しくなってくるような人たい。おらん人間が、多すぎるよ。
今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、なんでもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。」
劇中のセリフだ。現代人に相当刺さるのではなかろうか。少なくとも、私には刺さった。
登場人物、ほとんどが生々しい嫌な人間だった。やるせない。殺されたクソみたいな女も、小さい頃はいい子だった。
都会に出て悪い環境に晒されてしまったのだ。
悪い環境は悪い人間を創り、悪い人間は悪い環境を創る。これはきっと無くならない。
きっとこの映画の中の人物も、この世界の人々も全員、誰も悪くなくて、同時に全員が【悪人】なのかもしれない。諸悪の根源など、最早誰にも知り得ないのだ。つくづく人間は罪な生き物だと思う。
エヴァの人類補完計画、進撃の巨人のエルディア人安楽死計画、これらを企てる人々の気持ちもわかる気がする。