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悪人の100shimoのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
4.0
吉田修一氏の原作を読んだので再鑑賞。
原作を読んでから映画を観ると、あれがカットされている、あれが足りないと比較しながら観てしまうのですが、今作に関しては完璧な映画化だと思います。
言いたいことは、柄本明の台詞に詰まってます。妻夫木聡と深津絵里の純愛もののように思えますが、実は被害者の父と加害者の祖母の話しであり、被害者の満島ひかりも含めた群像劇なんですよ、これ。
バスの運転手が樹木希林に一声かけるシーンがあるんですけど、そこがグッとくるポイントです。
やっぱり人の自尊心を傷つけるような生き方はいけません。人を小馬鹿にして笑っているようではダメです。
吉田修一氏の作品の映画化としては「楽園」や「怒り」などもありますが、原作者が脚本に携わっているのは今作だけでしょうかね?
とにかくその完成度に恐れ入りました。400ページを超える原作ですけど、テンポよく読めるのでオススメです。
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