浅野公喜

大逆転の浅野公喜のレビュー・感想・評価

大逆転(1983年製作の映画)
3.5
人格形成に大事なのは環境か素養か、という老人の兄弟の賭け&実験によってホームレスのエディ・マーフィと金持ちのダン・エイクロイドが入れ替わってしまうジョン・ランディス監督のコメディ。

「親ガチャ」という言葉も浸透しつつある昨今、この賭けのテーマは非常に興味深いのですが黒人と白人の立場が入れ替わるという良い設定なのに案外それぞれの人種の扱いの違いやそれに伴う格差までは言及されおらずちょっと勿体無さが有り、終盤の逆転劇も先物取引の知識が無いと初見ではピンと来ないのも気になる点。

しかしながらベトナムで負傷して盲目&足が不自由になったと物乞いするも警官にバレ苦し紛れに目も足も大丈夫となって神に感謝だ!とうそぶくエディのはったりは最高で終盤の列車内の仮装パーティーにおけるデタラメアフリカ人も笑えます。ダンの方も汚いサンタ姿のままビュッフェで料理を衣装の中に入れたり今は難しい演出でしょうが顔を黒塗りにしてアフリカエディーの仲間のフリをしたりと負けてません。

ラルフ・ベラミーとドン・アメチー演じる兄弟は数年後の同じくランディス監督でエディ主演「星の王子 ニューヨークへ行く」にも出演。今作での末路を知ってると良かったねと言いたくなりました。

ロックンロールのパイオニアの一人、ボ・ディドリーも質屋で少しだけ出演。こういったキャスティングは「ブルース・ブラザース」も手掛けたランディス監督の好みなのかもしれません。
浅野公喜

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