赤線廃止から数か月後に公開。タイムリーなネタではあったが、それ以前に“女性の生きにくさ”のようなテーマは~特に当時においては~普遍的ともいえようか。
ことあるごとに「赤線出身だから」で偏見や暴力に見舞われる京マチ子がストーリーの本線。そこに野添ひとみや根上淳、船越英二などが絡んだり側道を通ったり。男女共に“大映脇役陣”の顔を沢山拝めるのはこの映画の隠れた特徴といえば特徴。
野添ひとみはいつものように魅力的。「赤線地帯」のラストを飾った川上康子が“その後”のような役柄で少し出てくる。そして浪花千栄子が(結果的に)短い出番でここでもインパクトを残す・・ほんまにすごいなこのひと。
説明調のナレーションや婦人相談員の存在など、全体的に説教臭が強いのが気にはなる。しかしアグファカラーの、特に赤の発色の鮮やかさを観るだけでも価値のある作品。屋台が並ぶ屋上?らしきシーンが今も目に焼き付いている。