ぶみ

遊星からの物体X ファーストコンタクトのぶみのレビュー・感想・評価

3.5
それは、細胞の一つ一つが単独で生きている。
それは、生物に同化して擬態する。
それは、すでに我々の中にいる。

マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア監督、メアリー・エリザベス・ウィンステッド主演によるSFホラーで、1982年のジョン・カーペンター監督『遊星からの物体X』の前日譚。
南極大陸のノルウェー観測隊が、氷の下に巨大な構造物を発見、アメリカとノルウェーで構成された探査チームが、謎の生命体と遭遇する姿を描く。
『遊星からの物体X』は鑑賞済み。
主人公となる生物学者をウィンステッドが演じているほか、探査チームのメンバーを、ジョエル・エドガートン、ウルリク・トクセン、エリック・クリスチャン・オルセン等が登場。
また、先日観た『探偵マーロウ』で印象的な役を演じていたアドウェール・アキノエ=アグバエが、
ヘリの副操縦士役で登場しているのも見逃せないポイント。
『遊星からの物体X』の冒頭、犬を殺そうとするノルウェー観測隊が登場するのだが、本作品では、そこに至るまでに何があったのかが描かれているため、時系列としては前の物語となる。
ただ、そこで起きていたことは、基本的には『遊星からの物体X』と同じであることから、繋がりに違和感はなく、謎の生命体=物体に襲われる恐怖と、登場人物の誰かに襲われるのではないかという二重の恐怖が丁寧に描かれている。
前作から29年経っており、当然のことながら、特に物体の造形や動きが各段とパワーアップしている反面、時系列としては前の話となっていることから、そこはかとなく80年代のような雰囲気が漂っているため、古くて新しい感覚が味わえる一作。

地獄で燃えろ。
ぶみ

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