T太郎

遊星からの物体X ファーストコンタクトのT太郎のレビュー・感想・評価

3.7
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2度目の鑑賞
「遊星よりの物体X」のリメイク版の「遊星からの物体X」の前日譚の「遊星からの物体X ファーストなんとか」だ。

つい先日、「遊星よりの物体X」のリメイク版の「遊星からの物体X」を鑑賞したところである。
まだ記憶が新しいので、すんなりこの「遊星よりの物体X」のリメイク版の「遊星からの物体X」の前日譚の「遊星からの物体X ファーストなんちゃら」に入っていけた。
(もうええわ)

要は、前作の前日譚である。
前回は雪原を走るワンちゃんをヘリが追跡し、銃撃する場面から始まった。

そのシーンに向けての多事多難、艱難辛苦、紆余曲折、諸行無常、呉越同舟、謹賀新年・・な諸々を描いている作品がこれだ。

南極大陸、ノルウェー基地が物語の舞台である。
彼らは10万年前の氷の中に未確認飛行物体と氷漬けになった未確認生物を発見した。
・・要は、UFOと奴である。

これらの調査をなぜかアメリカの科学者たちが請け負う事に。
その一人が主人公のケイトだ。

彼らは氷漬けの奴を基地に運び入れる。
暖かい室内に安置し、検体を採取したりする。

これは実に危険な行為だ。
氷に穴をあけた挙げ句、室温によって氷は少しづつ溶けていくのだ。
なんて軽はずみな事をしたのだろう。

私は何度も彼らに注意喚起をしたのだ。
心の中で。
鋭敏な私はすぐに奴の正体に気づいていたのである。
これは奴であると!
奴は非常に恐ろしい奴なのだ。

てな訳で、ここから奴の八面六臂の大活躍が始まるのだ。
概ね、前作の流れを踏襲しているので、詳細は割愛させていただくが、今回も非常に気色悪い。
気色悪い事山の如しである。

あの虫みたいな生物にリアルな人間の顔がくっついているのが、なんとも言えない気色悪さを醸し出している。

前回は小型犬くらいの大きさで、多数の細い触手がピロピロ動いていたのが妙に気持ち悪かったものだが、今回はかなり大型犬だ。
ダイナミックな恐ろしさを演出していると言えよう。

更に、技術の進歩により、奴にくっついた人間の顔が実にリアルで気色悪くて大変よろしかったのだ。

フィンランド隊にアメリカ人ご一行が加わった事で、今回は奴の餌食要員がかなり多い。

だから、ややせわしない。
次から次へである。
登場人物に愛着を覚えるどころか、名前を憶える前に次々と奴の餌食になっていくのだ。

なので、登場人物の識別は早々に諦めた。
それでも十分楽しめたのだ。

私は鋼の精神を宿す男として有名である。
したがって、ほとんどのホラーを恐いとは思わないのだ。
この作品も恐いとは思わなかった。
ただ、気色悪かったのだ。
気色悪い事山の如しだったのである。

私はもはや、ホラーに恐さを求める事を諦めたのだ。
だって、何を観ても恐くないんですもの。

恐いって一体、何?
T太郎

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