ダイナ

遊星からの物体X ファーストコンタクトのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

遊星からの物体X(1982年)がとても好みだったので前情報無しでこちらも鑑賞してみた。(1952年版もいつか見たいなあ)
結果、普通というか微妙というか。なんともいえない映画という印象に。

特に「う~ん」となってしまったのが映画の主役といってもいいエイリアンについて、この映画は2011年に公開されたそうで、映画業界も30年前から発展を遂げCG?やらVFX?やら映像特殊効果技術は格段と進歩していた。この映画にはその技術が顕著に現れていて、82年版と比較すると、エイリアンは汚さ・グロテスクさが美麗に表現され、ヌルヌルとスピーディに動くようになった。が、個人的に今回のエイリアンあんま好きくないんですよね。もちろん映像技術なんてどんどん進歩してくれとは思うが、このタイトルに関しては82年版ののエイリアン造形の方が「やべーモンスター感」あって興奮できた。今回のは「スタイリッシュかつ美麗で恐怖を表現しました感」でまあ現実にいたら怖いっちゃ怖いけどどこか冷めた目で見てしまう。

内容について、
仲間内に潜むエイリアンを探る場面、前作にあった血液テストとは別の判別方法を今回提示されていたのは良かった。体内の無機物による判別方法は映画の最後まで重要なキー要素となっているのでこの点はこの映画の良いアイデアだなと思いました。

印象に残っているシーンが、
主人公ケイトが娯楽室で火炎放射振るうシーン、(1時間13分あたり)
ここの前髪が左目にかかりながら寄生体に火炎放射ぶっ放す顔がイケメンすぎてやばい。序盤は頭の固い女学者ってイメージだったけどここから「ケイトさん」と呼ばざるをえなくなるほど逞しくなった。

終盤、クッソでかい宇宙船や謎ドット物体、美麗エイリアン(思ったが取り込んだ人間の顔をリアルに表現してるのが逆に微妙に感じるのかもしれない)など前作よりもスケールの違う所を見せつけられる。まあSFだからスケール大きいほうが人気でるのかね。個人的には映し出される映像についてどこか冷めた目で見てしまった。前作ハマりすぎたのが弊害になっているなこれは。

しかしここまで萎えてた気持ちが、ラストで少し緩和された。この映画ラスト暗転したかと思えばなんとも不穏なBGMが流れる、どこかで聞いたことあるBGMかと思ったら前作のBGMらしい。この曲すき。最後のヘリコプターで犬を追うシーンでハッとした。「これ前作の最初のシーンじゃん!」この作品実は1982年版の前日譚とのこと。たしかにタイトルに「ファーストコンタクト」と、「最初の接触」的なことが題されている。
前知識を入れずタイトルの意味も深く考えずに鑑賞したのが功を奏しとても盛り上がることができた。

今回の作品に関しても、前作同様主人公含め誰が人間なのか、エイリアンになっているのかを視聴者に委ねるような作り。そのスタンスは継承されていて良いと思う。個人的にこのタイトルのラストは視聴者に丸投げってよりは想像の余地を与えてくれているように作っている気がする。しかし、話が壮大というか様々な要素がスケールアップした結果、タイトルとして同じ方向を向いてはいるものの、面白く感じるツボが遠くに行ってしまった感じ。駄作ではないと思うがなんとも微妙な印象。
ダイナ

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