ryosuke

希望の樹のryosukeのレビュー・感想・評価

希望の樹(1976年製作の映画)
3.7
自然の中に暮らす人々を捉えた映像は美しいのだが、どうもエピソードの羅列感は拭えない。一応ラストシーンで皆登場するのだが、イマイチ収束した感じがしない。
全体を通じたテーマとして閉鎖的、保守的な村の中ではみ出した者に焦点を当てていることは分かる。
「つなぎ間違い」だとされかねないような編集や突然空間に人が現れるような描写が奇妙な雰囲気を醸し出している。
馬を殺すシーンで画面が赤く覆われていく演出はパラジャーノフ「火の馬」の同様の演出を意識しているのだろうか。
ヒロインが空中に投げた靴を映していたかと思えば、ピントの合っていない鳥であったというような演出も面白い。
ラスト、ヒロインはまるで殉教者のように見える。
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