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誰も知らないのツのネタバレレビュー・内容・結末

誰も知らない(2004年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

お兄ちゃんが弟妹思いであることが、この映画で一番の救いでした。
お寿司にお茶を準備したり、クリスマスにはケーキを、弟妹たちにはお年玉を。ちゃんとしすぎてて泣けてくる。
でもきっと、母親と明の蜜月が今の明をつくってるんだよなぁと思うと、身勝手な母親だけど子供たちに笑顔を向けたり、お土産を買ってくる愛情があることも事実なんだよな。
この物語が、(半分は)フィクションと知りながら、この後、明にはよりたくさんの幸福がありますようにと願ってしまう。
柳楽くんの表情がピカイチすぎて、本当に良い配役と演技だったと思います。

淡々と生活が破綻して、家が、服が汚れていく。その中でも束の間の買い物や植木など、子供たちなりに見つける楽しみや幸せの描写が、子供の「今」を生きる力の強さと、一方で庇護者がいないと生存できない弱さを感じさせ、切ない気持ちになった。

事件が起きたときの子供たちのパニックになるわけでもなく、「どうするの?」みたいな表情なのが印象的でした。諦め?死を理解していない顔。
子供たちなりのお別れの仕方に「そりゃそうなるよね」みたいな気持ちになりました。

どんな人も親になる権利はあるが、その子供たちがたくさんの人やコミュニティに接続でき、安心して生存し、将来に希望を持ち、楽しみを叶えたり学びの場面に出会えることを祈っています。
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