はろ

誰も知らないのはろのネタバレレビュー・内容・結末

誰も知らない(2004年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

子供達の自然な仕草や行動、辛いはずの生活の中でも時折見せる無邪気さが胸を抉る。

だんだんと部屋が汚くなり服はボロボロになり、食べ物が少なくなっていく描写がきつい。
母親の言いつけを守りはじめは出ないようにしていたベランダも、母がもう帰ってこないことを心の中で分かり始めるように出始め、カップラーメンの容器で植物を育てる。後半は特にベランダを印象的に映している。
母が帰ってこないと思いつつもベランダから外を見ていたらいつものように母が帰ってくるんじゃないかと期待しているようにも見える。
大量の植物を「育てる」ということも、育てることを放棄した母と対比されている。

最後まで母の文句を言わず、周りの大人にも頼らずなんとか生きている健気さは現実のグロテスクさを浮き彫りにしている。
はろ

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