このレビューはネタバレを含みます
終始胸が苦しくなる内容であったが、さすが是枝監督、苦しくともずっと見ていられるくらいの美しく光の綺麗な描写で、それも相まって皮肉なことにより虚しさが増す映画であった。
細かい描写がとても印象的に残った。制服姿、サイズの合わない音のなるサンダル、ボロボロになっているスニーカー、彼が望んでも叶えられない将来をもってる他の子達、塾という言葉、それら全てが、彼らたちが今直面している貧困が浮き彫りになっている。
彼ら目線のなんともない日常としてカメラに収める是枝監督は本当にすごいと思った。
こんなにサラッとしている映像のようでも、ものすごくズーンと重く記憶に残る映画だった。
後にこの映画の題材になった、巣鴨子供置き去り事件のことを調べたらこの映画以上に残虐で怖い事件だった。