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誰も知らないのRのネタバレレビュー・内容・結末

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

「誰も知らない」

この題名の誰もには
実の母も入るという皮肉

実の母ですら
子ども達がどのように生活しているか知らない。
子ども達の気持ちも知らない。
極め付けは、子どもが亡くなったことにすら気が付かない。

けど子ども達は母親に甘えているし
信じているし 待っている

あの世界が当たり前になったら
普通じゃないなんてことに気がつけないのかもしれない
けど、経験するべきでない悲しい思いをしすぎているのが辛かった。

当たり前の教育を受けたり
外に遊びに出かけたり
両親に思い切り甘えてかわいがってもらう...
なんで何もしなかったんだろう。
なんでそばにいてあげなかったんだろう。


あの年齢の子ども達のことは
親が守り、お手本を見せ、家庭のことは気にさせないようにする
これが当たり前の前提であってほしい。

親になることの責任を背負えないのであれば
親になる資格はないと
心の底から思わずにはいられなかった。


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柳楽さんの演技は
純粋な子どもが表現されててとても良かった

はにかむ笑顔もかわいかったし
どんどん反抗的になる様も
心が荒んでいく様も見事だった

けど根は真面目で兄弟の面倒はしっかり見るところ
社会のルールには反しないところが
純粋な子どもらしさが垣間見えて良かった

このお兄さんがいなければ
より不幸な結末になっていたかもしれない

けど、結果的には
妹も埋葬するなんていう
とんでもなく辛い(本人は辛いことが多すぎて涙すら出てないところもリアル)
ことまでしていて

この青年の人生と心を壊しているし母親に
より嫌悪感が生まれた。

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自分も母親になった
だからこの映画に向き合ってみようと思ったけど
この母親の気持ちは理解ができなかった

私は、子どもにとって絶対的に頼れる母でありたいし
自分の子どもは世界一幸せになってほしい

これが母が子どもに願う普通のことだとすら思う

けどかたやどこかの家庭で
今も蔑ろにされている子ども達がいる...

愛の大きさがあまりにも違うんだよ

大人になればなるほど
産まれながらに人生は不平等だと思わずにはいられない。
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