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誰も知らないのchsyのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.8
息苦しいさと解放とが交互に訪れる。是枝監督の才能はもとより、子供たちの素晴らしさ。演技というより、子供のやわらかな体内に秘められた生命の息吹みたいなもの。眼差しと共に呼吸が伝わってくるような現実味があった。
原石が石工の手を借りて最初の光を放つ。その眩しさ。

こんな状況は間違っていると子供にも分かっている。途方に暮れた表情で「誰か助けて」と叫びたいのを必死で押さえてる。もちろん助けられるべきだと思うけれど、子供たちだけで力を合わせ工夫した暮らしが他者に壊されてしまうことを恐れながら見ていた。閉ざされた部屋で暮らす彼らに見入るこちらも、息を潜めて、そっと気づかぬフリをするみたいな。

YOU演じる母親は、最低だけど少しばかり子供のことを考えていて、優しかったりする。だからネグレクトされても子供はこんなにも親のことを考えるんだな。
親の幸せを邪魔しちゃいけないって。健気すぎる…

挿入歌「宝石」
タテタカコ
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