ねぎおSTOPWAR

鬘 かつらのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

鬘 かつら(2005年製作の映画)
3.7
『妹スヒョンが気の毒で、余命宣告を受けたことを隠す姉ジヒョン。抗がん剤のせいで坊主頭の妹に鬘(かつら)をプレゼントしたが・・
スヒョンの病状が急激に良くなるのだが、一方おかしなことが重なるようになり、それは鬘が原因では・・・・』
という話です。

監督は「サスペクト哀しき容疑者」「殺人者の記憶法」などのウォン・シニョン。3作目の「セブンデイズ」も隠れた名作と思った。
撮影も編集も良いスタッフを起用しているんですよね。編集はここしばらくシン・ミンギョン女史だし、長編一作目となる今作でもキム・ソンミン女史。彼女もとても優秀ですよ!
撮影もね、リュ・スンワン監督のお抱え的なチェ・ヨンファンさんを2回起用。
たぶん助監督時代にしっかり良いスタッフの見定めとコミュニケーション取っていたんだろうなあ。

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さて映画。
上にも書きましたがこれが長編デビューです。
にも関わらずというか、さすが「殺人者の記憶法」撮った人だなーって感じ。
共同脚本です。作りもしっかりしていて、演出もやや難解な部分があるも絶えず不穏なムードをキープし、エンタメとしてサスペンスホラーとして成立していると思います。
まあね、多分に編集キム・ソンミン女史の力でしょうけどもね。
でもね、さすがのキム・ソンミンと言えど、冒頭シーンはなかなかに難解ですよ!
病室内の掛け時計のアップが2回インサートされますが、ひとつめが1:41で次が1:11なんですよ。・・30分戻るとかじゃなくて、たぶんその後出てくる同一人物とみまごう(役者は一人二役)人物との異なる時間軸の異なる入院患者なんでしょうね。それにしてもこの微妙な時間差って何??って感じですけど。
あとはね、「あれ?で、結局のところ〇〇はどうなった?」のような違和感は残るんですよね。「殺人者の記憶法」だと、あれはあえて作為的にやっているわけで。そこが今作の《あと一歩》の余白でしょうか。

ひょっとしたらその違和感のひとつの原因であるかもしれない、上記した同一人物を演ずる部分、女優さんの力量もありますかねー。
いずれにしろそう簡単な映画ではないです。
スルッと見ると「つまんなーい」ってなっちゃうかも😅

〈811〉