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許されざる者のkuuのレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
4.0
『許されざる者』
原題Unforgiven.
製作年1992年(日本では1993年4月17日公開)。
上映時間131分。

クリント・イーストウッド監督・主演の今作品は、90年代に製作された米国映画の中で重く複雑な個性を有した作品の一つかも知れへん。

1870年代の米ワイオミング。
かつてはアウトロー(無法者)として悪名を轟かせたウィリアム・マニーやったが、今は若い妻に先立たれてもえ、2人の幼い子どもと共に貧乏な農夫として静かに暮らしとった。
そこに若いガンマン、キッドが立ち寄り、賞金稼ぎの話を持ちかける。。。

今でこそ現代映画の巨匠として君臨するイーストウッドやけど、かつて、多くの人々にとって彼のイメー ジは斜に構えた流れ者的やったし、44マグナムの威力にガンガンモノを云うコワモテポリスやった。
まぁある意味、単純化された印象をつけてたけど、
せやからこそトップに君臨してきたんかも。
せや、クリント・イーストウッドてのは、そのパブリックイメージに支配されることに抵抗を示してるように近年は見える。

マジの己てのが、
何処からやって来て、如何なるモノかってのを力強く認識して、視聴者が彼に何を求めてるんかと、求めていないんかってのを理解してるように見える。
一方じゃ、いつかきっと、己から求める真の映画をつくるための努力を怠ることがなかったと思う。
そないな集大成的な作品げ『許されざる者』ちゃうかな。
偶像破壊的な作品ともいえるし、破壊されるんは、西部劇の神話と、暴力の天使としての彼自身のペルソナやと思う。
西部劇ちゅう米国神話てのを内臓からバラして過去の遺物へと変えて、彼自身が好まざるとも纏ってきた偶像のマスクを全て剥ぎ取ることで、自己言及的な死の臭いプンプンのポストモダニズム・ウエスタンとなったんかな。
今作品は、西部に関連するあらゆる伝説を修正してるよう。
日常では目に見えてる範囲で人は判断してしまう。
実際は、表に表れとるのが人の全てじゃないし、人はその中に


若しくは
灰色の部分も持っている。
鳴かない猫は鼠捕る。
不言不語を貫き、
弁解もしいひん。
マジに解かってくれるヤツだけが居てくれればいいちゅうスタンスが何とも云えず胸に響く。
こないな風になりたいと切に思ったかな。
クライマックスで、マニーは八人を殺害する。
それってのは彼が最も恐れ、同時に避け難かった事態。
彼は闇夜の中に浮かびあがり、叫ぶ。
マニーの最後のセリフ。
ここはシブすぎる。
Will Munny: You better bury Ned right!...
Better not cut up, nor otherwise harm no whores... or I'll come back and kill every one of you sons of bitches.
マニー:ネッドをちゃんと埋葬しろ!娼婦を切りつけたり、痛めつけたりするな!
さもなきゃ、俺は戻ってきてクソ野郎どもを皆殺しにしてやる!

娼婦は白人以外の人たちを比喩してるセリフかも。
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