かつて燃やしていた炎はとうに消え、しけった火薬は、ある日息を吹き返す。
勧善懲悪チックなウエスタンの定型から外れ、死の重みを濃く描き出したこの作品。善人を殺しても悪人を殺しても、人殺しは、残された誰かからは「許されざる者」として扱われる。人殺しは正しいも悪いもなく、重くて、空虚なもの。イーストウッドはそれをウエスタンを舞台にし表現した。
淀川長治氏はこの映画を西部劇のさわりを集めたような映画とおっしゃっていました。
彼が昔犯した悪事、女性への非道な扱い、それらを全て洗い流してしまうほど美しい自然。