ラブシーンが全てイイ。瞳孔検査からのキス未遂をアップで→バビンスキー反射検査終了後、立ち上がりかけてトムからの突発的なキス→検査室を出て今度はニコール・キッドマンからの熱烈なキス、で一気にもっていく。こんなにキスを撮るのが上手い監督だったんかトニスコ。事後のシーンで、競争相手の追い越し方を未開封のコンドームを使ってニコマンの脚で説明するエロティックなくだりが、終盤のレースの行方をさりげなく予告しているのも効いてる。トムとロバート・デュヴァルの疑似父子が駆け出すところを正面からとらえてのストップモーションまで、「映画」がぎっちりつまった108分。