おなべ

悪魔が来りて笛を吹くのおなべのレビュー・感想・評価

悪魔が来りて笛を吹く(1979年製作の映画)
2.5
原作未読前情報皆無で鑑賞だ!
結果…う〜ん、イマイチ話にのれませんでした。やっぱり市川崑監督と石坂浩二の組み合わせがあまりにもピッタリあっているせいかも。金田一役の西田敏行もいいんですけど、イメージが定着しているからかお惚けな演技に違和感がありましたね。
ショッキングでおどろおどろしい冒頭は良いとして、後は冗長に感じてしまう。「犬神家の一族」「獄門島」等戦後の地方を取り扱った事件と違い、ほぼ東京を舞台としている為、いつものような古きに渡る慣習やオカルト的要素が薄いです。
怪しい得体の知れないおどろおどろしさがあまりないのは仕方ないとして、劇中何度も出て来るフルートの意味合いが特に無く、消化不良の部分も多い。それよか、椿邸の方々(容疑者)の絡みが少なくてキャラが立たないまま終盤へ行ってしまう…「あれ、あの人どうしたっけ?」とか「あれどういう意味だったっけ?」なんて疑問がとても多く残って見終わってしまった…。

いつもだったら身勝手で不器用な犯人に思わず同情しちゃうんですけど、今回は感情移入出来なかったのが大きいかな。金田一シリーズで犯人が心境を語り出した時「ふーん…」位に思ってしまったのは初めてでした(笑)等々力警部も何だかな〜、愛嬌やユーモアがなくてただの警部になっていて微妙。

劇中曲「黄金のフルート」の音楽は素晴らしい。物哀しくて、美しい音色に聴き惚れてしまいます。
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