コブラ

イースタン・プロミスのコブラのネタバレレビュー・内容・結末

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ヴィゴの湯けむりフルチンバトルの事しか書いてなかったので観直し修正。

クローネンバーグ作品中で最も優しい話、と「デッドゾーン」を観るまでは思ってた。凄惨で陰惨な事を描いてはいるんだけども。

アンダーカバー映画の「組みする組織と潜入先との板挟み、その葛藤」という定形とは一線を画す作劇。ヴィゴの正体は割と後半に判明する東山の金さんスタイル。溜飲は下がらんが。

ヴィゴの此岸の生活を捨て切った狂気と、彼岸よりナオミ•ワッツ=市井の善人をみる諦観まじりの優しい視線。マッチョを装って実はヴィゴに友情を超えた感情を抱くヴァンサン•カッセル。好好爺にみえてその実、、、というアーミン=ミューラースタール。人を一面だけでは絶対にわかった気になっちゃならねーなぁと心底思う。

最初の5分の頚部剃刀と切迫早産というエンタメにおけるワイの二大フォビアを超えれば後はずっと画面に釘付けになるのはそういう人物描写&配置。

強烈なバイオレンス。
銃ではなく刃物で事を起こすもんだから常に痛々しく生々しい。

スタイルは違えど同じ潜入捜査映画である傑作コリアンノワール「新しき世界」への影響は地味にデカい様な気がした。


備忘録
ロシアにマフィア留学してダークワールドの作法を習得したヴィゴ。肉体に刻まれた自分史はヴィゴのアイデアだったとのこと。

備忘録2
イエジー・スコリモフスキ監督がナオミのおじ役で登場。ロシアンマッチョの権化みたいなクソジジイなんだけどマフィアに屈しない義心の徒でもあるという一面だけでは語れないキャラクター。
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