佐藤克巳

良人の貞操 前篇 春来ればの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

良人の貞操 前篇 春来れば(1937年製作の映画)
3.5
カラー着色版の総集篇で初見。前半、夫高田稔と妻千葉草智子が仲人したが未亡人となった入江たか子が子連れで上京三人の円満な関係だったが、千葉の妹高峰秀子が「猫に鰹」と軽口を叩くが、後半それが現実となり悲劇的結末となる山本嘉次郎監督の力作だが好みの作品では無い。但し、女性の観客の涙腺を絞る悲恋物としては成功している。更に言えば、カラー化は作家の冒涜とは思わない。その時代の世相を知るツールとして有効だし、白黒より明らかに見やすい。
佐藤克巳

佐藤克巳