ay

ウェイキング・ライフのayのレビュー・感想・評価

ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)
4.0
夢に閉じこめられた青年がいろんな専門家を訪ねて対話をくり返す。夢とインターネットと時間の哲学をめぐる実験的SFアニメーション。そっか、リンクレイター監督はゼロ年代初頭にはこんな成熟した思想をもってたんだな、と呆然。ゼロ年代初頭。デジタルとアナログの交差が新しい何かを生み出すことがわかってきたタイミング。人びとに共通する深層意識の内側がみえてきて、さまざまな次元のコミュニケーションの可能性の議論がはじまった時期。世界が情報の断片とともに揺らぎ出す、SNSの登場よりも前。

実写を撮影しそれをデジタルペインティングで加工した映像=デジタル版ロトスコープ。アニメのむこうに本物の研究者や学者を感じる。夢と記憶を現実にかき混ぜたみたいな、ものすごくブレてうねる異質な映像。目指したイメージに当時の技術と作画クオリティが追いつけなかったんじゃないか、とは思うけど。実践自体は、冒険的でとてもおもしろい。
ay

ay