ヤスマサ

アメイジング・スパイダーマンのヤスマサのレビュー・感想・評価

3.4
マーベル・コミックの人気シリーズ、スパイダーマンのリプート映画。
オズコープ社で遺伝子操作されたクモに噛まれ驚異的な身体能力を得た高校生のピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)が、スパイダーマンとなり社会の悪を退治していくSFアクション。
オズコープ社で遺伝子の研究をするカート・コナーズ博士(リース・イーヴァンズ)は、研究成果を急ぐあまり自ら被検体となると、凶悪なトカゲの怪物リザードに姿を変え、ニューヨーク市民を巻き込んだ騒動を引き起こす。

マーベルファンにはよく理解できているだろうが、サム・ライミ版スパイダーマンとは違う並行世界(マルチバース)での話し。
なので、この映画から観始めでも十分楽しめる作品になっている。
とはいえ、ついサム・ライミ版と比較してしまうのは否めず、違いを見つけながら観るのもまたいいだろう。

リプートなので仕方ないが、スパイダーマンの誕生からを追ったストーリーに、少々詰め込み過ぎ感が否めず薄っぺらさを感じる。
まだ高校生のピーターの性格のせいでもあるが、散見されるスパイダーマンという自覚の無さが、更に浅薄さを感じさせるのかも知れない。
それでもサム・ライミ版と異なるヒーロー像が興味深い。
今作でマーク・ウェブ監督の起用は少々意外だったが、人の内面に焦点を当てたシーンが多く描かれているように思う。
「全ての人が平等な、弱者のいない世界」を目指したコナーズ博士をヴィランと化した悲しい話しだ。
ヒロインのグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)も注目だ。
サム・ライミ版でも容姿端麗で才女だったが、この世界ではまだ高校生なのに持ち物、所作に至るまで大人の風格。
積極的なグウェンの協力を得て、多少苛立たしくも新たなスパイダーマンの魅力とアクションを堪能できること請け合い。
未解決な謎を残し、続編が気になる作品。

マーク・ウェブ版の世界でも殺されてしまうベン伯父さんに、マーティン・シーンがキャスティングされてたのが嬉しい。
ヘッドフォンをしてて背後の激闘に気付かない図書館員としてスタン・リー氏のカメオ出演も嬉しい場面だ。
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