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スプラッシュのTPのレビュー・感想・評価

スプラッシュ(1984年製作の映画)
4.5
★1988年に続き2回目の鑑賞★

 監督のロン・ハワード、主役のトム・ハンクス、ダリル・ハンナがまだまだ駆け出しだった時(三人とも製作当時20代)に製作され、彼らが大ブレイクするきっかけともなった貴重な作品。
 とにかく本作のハンクスが、若い!細い!!動きが軽快!!ハンナも前作の「ブレード・ランナー」の奇抜な戦闘員と打って変わって可愛らしい!!そういう点でもとても魅力のある作品。

 ストーリーはべたと言えばべたなのだが、悪党も含めて心底悪い人間が出てこないこと、コメディ部分もとても自然で笑顔になれるし、まぁ、多々都合が良い展開はあるけど、非常によくまとまった、バランスの良いファンタジー・ラブロマンス作品だと思う。

 ただ、ハンクス演じる主人公アランが恋愛に臆病で今一つ魅力がなく、確かに人魚姫マディソン側には20年振りに出会った気持ちの高鳴りがあるのだろうが、出会った後のアランの行動を見ても、なぜそこまでぞっこんになるのかの深掘りはちょっと足りないと思う。

 ただ、35年振りに鑑賞して気付いた(いや、その時にも気づいていて忘れているだけかも)のは、マディソンがアランに20年変わらぬ恋心を持っていたのは、少女時代に海中で自分と同じように振舞えたアランが同じ人魚だと思っていたからだということ。同じ人魚であるアランが人間社会で暮らしていることへの憧れもあったのかなと思うと、アランに尋常ならざる強い愛情を感じていたのもわからなくはない。

 私にとって本作品は、学生時代に観たラブロマンス映画として五指に入ってくる作品。
 もちろん個人的に長身スレンダーの女性が好みのこともあるが、ハンナの個性的な顔立ちも、ヒロインとして申し分ないことの寄与も大きい。
 現代だと本作のような内容ならアニメになりがちなのだが、個人的に思うのは、特に海外アニメは、人間造形に対してどうしても表情・表現が大げさなため、なんだか違う生き物としか感じられず、どんな内容であっても評価が4を超えることがないのだが、本作はファンタジー的要素はヒロインが人魚というだけで、基軸が普通の人間世界の実写映画なので、普通に心がきゅんとなり、夢を感じられるという点で、全然高い評価になる。
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