ケンジモンデン

モダン・タイムスのケンジモンデンのレビュー・感想・評価

モダン・タイムス(1936年製作の映画)
4.8
確かにこの映画にはチャップリンの「現代」に対するいろいろな想いが込められていると感じる。それをコメディという形にして、今でも僕たちにも伝え考えさせることができるのは、まさに「名作」と言われる所以だと思う。

資本主義・機械文明に踊らされる人間の滑稽さを描いているわけですが、個人的に興味深いのは、チャップリン演じる主人公がその滑稽さに踊らされながら、本当の自分の魅力に気づいていく過程。タイムカードを押さずにいられない、カンペがなければ歌えない。でも、カンペのない時こそが、彼の本領発揮なのだと。そんな彼の歌うティティナは光り輝いてる。

大切なのは個人の幸福の追求なのだ。どんなに苦しくても、どんなに認められなくても、自分が本当に自分らしく笑顔でいられることが一番大切なんだ。
そんな普遍的な、でも大切なメッセージが、最後にはスッと胸に入ってくるのがこの映画のパワーだと思いました。

チャップリン映画を恥ずかしながら初めて観ましたが、ただただチャップリンの凄さを知りました。コメディアンとしても、映画製作者としても、音楽家としても。神。